App Store Connectヘルプ

サポート / App Store Connect / アプリのアクセシビリティの管理 / 「視差効果を減らす」のアクセシビリティ評価基準

アプリのアクセシビリティの管理

「視差効果を減らす」のアクセシビリティ評価基準

iOS macOS tvOS visionOS watchOS

説明

画面上の動きはアプリの体験を豊かにする可能性があります。しかし、拡大縮小、回転、周辺の動きなど特定のタイプの動きは、動きに敏感な人にとってめまいや吐き気の原因となることがあります。動きによる酔いは、一般的に拡張現実や仮想現実の文脈で議論されていますが、動きに非常に敏感な状態にあるユーザにとっては、2D画面でも反応を引き起こす原因となる可能性があります。アプリにこのような動きのトリガーが含まれている場合は、当該トリガーをオプションにするか、代わりのアニメーションを提供してください。

目標

障がいがあるかどうかに関係なく、すべてのユーザがアプリを使用できるようにする必要があります。

「視差効果を減らす」の目的は、動きに非常に敏感なユーザをサポートすることです。このようなユーザは、特定のタイプの動きのトリガーに出くわしたときに、吐き気、めまい、頭痛、注意力低下などの好ましくない副作用を経験することがあります。多くの場合、問題となるタイプの動きは、回転や拡大縮小など、3D効果や奥行きをシミュレートするために使われる手法です。

適切にデザインされたアニメーションは、情報を直感的に伝えることができ、アプリの使いやすさとわかりやすさの向上につながります。そのようなアニメーションを不必要に削除すると、アプリの体験がわかりにくいものになる可能性があります。そのため、時期尚早にアニメーションをすべて削除または修正することは避けてください。以下の対応基準を確認し、それぞれのアニメーションをそのままにするのか、修正するのか、完全に削除することを検討するのか判断してください。

以下のセクションでは、アプリが「視差効果を減らす」に適切に対応しているかどうかを判断する方法について詳しく説明します。目標は、障がいのあるユーザがアプリの一般的なタスクをすべて行えるようにすることです。以下の評価を実施することで、アプリがであることをApp Storeで記載すべきかどうかを判断できます。

テストの始め方

「視差効果を減らす」に対応していることを記載するためにAppleフレームワークを使用する必要はありませんが、ユーザにとってよい体験とはどのようなものかを理解するために、システム全体の設定によってAppleのシステムアプリがどのように反応するか確認することをお勧めします。独自のアプリ内設定を用意する場合は、システム全体の設定と同様の機能をサポートするか、ユーザインターフェイスをよりきめ細かくカスタマイズできるようにする必要があります。

アプリが対応している各デバイスで「視差効果を減らす」のシステムの設定を有効にする方法について詳しくは、以下のリソースを参照してください。

「視差効果を減らす」のテストに習熟していない場合は、ある程度の時間をかけて、基本以上の知識を習得し、以下の追加リソースを確認してください。

z

「視差効果を減らす」への対応の記載

「視差効果を減らす」に対応していることを記載するためにAppleフレームワークを採用する必要はありませんが、ユーザがAppleのシステム設定を有効にしているときに検出することをお勧めします。これによりユーザは、アプリが想定どおりに機能するよう、手動で別の設定を更新する必要がなくなります。追加のカスタマイズや詳細なコントロールを備えた独自のアプリ内設定を提供する場合は、Appleのシステム設定を使用する必要がないこともあります。

アプリのテストを行う際には、一部のユーザにとって不快感や注意力低下の原因となる可能性がある動きのトリガーが、ビューや遷移アニメーションに含まれていないかどうかを確認してください。問題となる動きのトリガーがアプリに含まれていなければ、「視差効果を減らす」に対応していることを記載できます。

  • アプリで深度シミュレーション (パララックスエフェクト、動きをつけたぼかし、被写界深度エフェクトなど)を使用していて、ユーザの設定で視差効果を減らすことが必要または推奨とされている場合は、アニメーションを無効にするか変更してください。

  • アプリに複数軸の動き、複数速度の動き、回転、渦状のエフェクトが含まれていて、ユーザの設定で視差効果を減らすことが必要または推奨とされている場合は、アニメーションを無効にするか変更してください。

  • 自動進行するカルーセル画面やその他の継続的な動きがアプリに含まれている場合は、ユーザの設定に基づいてその動きを停止するか、ユーザが動きを停止できるようにコントロールを提供することを検討してください。

  • アプリの一般的なタスクにおいて、サードパーティまたはユーザが作成したコンテンツが必要な場合は、「アクセシビリティラベルの概要」を参照してサードパーティのコンテンツに関する詳細なガイドをご覧ください。

  • 動きのトリガーのその他の例については、ページ下部にある関連項目のリンクを参照してください。

アプリにこのようなタイプの動きが含まれている場合は、各アニメーションを個別に検討してください。

  • このアニメーションは、単に様式的または装飾的な効果を目的としたものですか?その場合、ユーザのシステム設定で視差効果を減らすことが必要または推奨とされているときには完全に停止することを検討してください。

  • アニメーションを完全に削除すると、使いやすさやわかりやすさに好ましくない影響が生じることがあります。ステータスの変更(アイテムをカートに移動したなど)や階層的なコンテキストの遷移(このビューは前のビューのサブビューであるなど)など、動き自体に何らかの意味がある場合は、アニメーションを完全に削除しないでください。その動きを避けるか少なくともフルスクリーンの動きを減らすため、代わりにディゾルブ、ハイライトフェード、色の変化などの新しいアニメーションを提供することを検討してください。また、デフォルトのアニメーションを差し替えるか、ユーザの設定で視差効果を減らすことが必要または推奨とされている場合にのみ新しいアニメーションを使用するかを検討してください。

設定で視差効果を減らすことが必要または推奨とされているユーザに対して、問題のある動きのトリガーがアプリに表示されなくなったら、「視差効果を減らす」に対応していることを記載できます。

アプリの一般的なタスクについて「視差効果を減らす」に対応していることを記載できるようになった後でも、アプリのアクセシビリティをさらに改善できる場合があります。アプリをアップデートする際は、その都度、アプリが「視差効果を減らす」に対応しているかどうかを評価し直すようにしてください。アプリのリリースごとに、アクセシビリティを高め、より多くのユーザがアプリを利用できるようにすることを目指しましょう。