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「キャプション」のアクセシビリティ評価基準
説明
キャプションとは、ビデオや一部形式の音声のみのコンテンツに含まれる会話や重要な音に対する代替テキストであり、通常は時間に同期したものを指します。キャプションは、聴覚に障がいのある人や難聴の人に配慮した機能ですが、聴力に問題のない人にも広く利用されています。
目標
障がいがあるかどうかに関係なく、すべてのユーザがアプリを使用できるようにする必要があります。キャプション機能の目的は、システム設定において、音声による対話表現やその他の音を画面上に視覚的に表示するように設定しているユーザや、点字ディスプレイなど別のデバイスに出力するように設定しているユーザを支援することです。キャプションは、聴覚に障がいのある人、視覚と聴覚の両方に障がいのある人、難聴の人に配慮した重要な機能ですが、聴力に問題のない人にも広く利用されています。

以下のセクションでは、アプリがキャプションに適切に対応しているかどうかを判断する方法について詳しく説明します。目標は、障がいのあるユーザがアプリの一般的なタスクをすべて行えるようにすることです。以下の評価を実施することで、アプリがキャプション対応であることをApp Storeで記載すべきかどうかを判断できます。
テストの始め方
キャプション対応であることを記載するためにAppleフレームワークを使用する必要はありませんが、アプリがシステム全体のキャプション設定を検出したときには、デフォルトでキャプションを有効にするようにする必要があります。独自のアプリ内設定を用意する場合は、システム全体の設定と同様の機能をサポートするか、ユーザインターフェイスをよりきめ細かくカスタマイズできるようにする必要があります。
アプリが対応している各デバイスでシステム全体のキャプションを有効にする方法については、以下のリソースを参照してください。
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iPhoneについては、「iPhone上に字幕とキャプションを表示する」を参照してください。
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iPadについては、「iPad上に字幕とキャプションを表示する」を参照してください。
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Macについては、「Macで字幕とクローズドキャプションを使用する」を参照してください。
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Apple TVについては、「クローズドキャプションとSDHをオンにする」を参照してください。
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Apple Vision Proについては、「Apple Vision Proで字幕とキャプションを表示する」を参照してください。
「キャプション」への対応の記載
アプリ内で再生されるビデオ(ゲームのインタースティシャル広告や音声による対話表現などを含む)についてキャプションが提供されている場合、アプリがキャプションに対応であると記載することができます。また、アプリで音声のみのコンテンツをテキストに書き起こして提供している(歌詞やPodcast内の音声による対話表現など)場合も、キャプション対応であると記載することができます。
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ビデオコンテンツについては、発話の内容のみでもプライマリ言語と代替言語の字幕としてアプリで表示すれば、キャプション対応であると記載できます。ただし、クローズドキャプションやSDHを提供することで対象者層を広げることも検討しましょう。これには、「[玄関のチャイム音]」や「[犬の吠える声]」といった非言語的な音声表現が含まれます。
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一般的な字幕やクローズドキャプションが付いた映画やテレビ番組をアプリで提供しない場合でも、音声による対話表現やそれに準じた音をアプリで扱うことがあります。ゲームのインタースティシャル広告を例にすると、一般的なビデオプレイヤー用に標準のキャプションを付けて配信するものには該当しないものの、キャプションを付けるべき対話表現が含まれることは多くあります。
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歌詞付きの音楽、あるいは話し言葉を扱うPodcastなど、言語を用いたオーディオコンテンツをアプリで提供する場合は、コンテンツを書き起こしたテキストも合わせて提供することを検討しましょう。テキストの書き起こしでは、時間を同期する必要はありません。高品質の書き起こしテキストを用意しているとみなして、キャプション対応であると記載できます。たとえば、watchOS向けのアプリはビデオ再生に対応していなくても、音楽の歌詞や読み上げオーディオの書き起こしをwatchOSのアプリに表示することが可能です。
第三者が用意したコンテンツのキャプション
ビデオ投稿を扱うソーシャルメディアアプリ、ユーザがビデオを追加するプレゼンテーションアプリ、あるいはテレビ番組や映画のストリーミングを扱うエンターテインメントアプリなど、第三者が用意したビデオコンテンツを扱うアプリの場合には、ユーザが用意したキャプションデータをアプリに追加して、表示できる仕組みにするとよいでしょう。そのようなアプリでキャプション対応であると記載するには、第三者が用意する全コンテンツにキャプションを付ける必要は ありません。 ただし、以下の点を確認する必要があります。
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どのメディアコンテンツがキャプションに対応しているかをユーザが見分けられるようにします。たとえば、多くのビデオストリーミングサービスのアプリは、キャプションのあるビデオに「CC」や「SDH」のアイコンを表示しています。また、選択可能な字幕の言語といった情報も合わせて表示しています。
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キャプションを表示する機能をアプリに搭載しているものの、実際にアプリで利用できるキャプション付きのコンテンツがほとんどない、またはまったくない場合は、キャプション対応であると記載しないようにします。
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キャプション付きのビデオコンテンツが増えるよう、コンテンツプロバイダに掛け合うことを検討しましょう。
アプリの一般的な操作についてキャプション対応であることを記載できるようになった後でも、アプリのアクセシビリティをさらに改善できる場合があります。アプリをアップデートする際は、その都度、アプリのキャプション対応を評価し直すようにしてください。アプリのリリースごとに、アクセシビリティを高め、より多くのユーザがアプリを利用できるようにすることを目指しましょう。