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アプリのアクセシビリティの管理

「カラー以外で区別」のアクセシビリティ評価基準

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説明

ユーザは、カラーだけに依存することなく、アプリ内の選択状態や値を区別できる必要があります。一般的な色覚異常のあるユーザに情報を伝えられるよう、アプリでは、テキストラベルやアイコンなど、カラー以外の別の方法も使用する必要があります。

目標

障がいがあるかどうかに関係なく、すべてのユーザがアプリを使用できるようにする必要があります。目標は、一部のカラーを知覚できない可能性のあるユーザをアプリから排除しないようにすることです。色覚異常は最も一般的な障がいの1つであり、母集団によっては最大で10%の人が影響を受けています。

情報をすばやく伝える上で、カラーは非常に効果的です。アプリで情報を伝えようとするときに、カラーという手段を排除する必要はありません。情報伝達をカラーだけに頼ろうとしなければよいのです

以下のセクションでは、アプリが「カラー以外で区別」に適切に対応しているかどうかを判断する方法について詳しく説明します。目標は、障がいのあるユーザがアプリの一般的なタスクをすべて行えるようにすることです。以下の評価を実施することで、アプリが「カラー以外で区別」対応であることをApp Storeで記載すべきかどうかを判断できます。

テストの始め方

アプリを評価する際には、「アクセシビリティ」のディスプレイ関連設定にある「グレイスケール」カラーフィルタを使用してテストすることをお勧めします。この機能では、色覚異常のあるユーザが目にするものをそのまま表現するわけではありませんが、アプリでのカラーの使い方に起因する予期しない問題を発見するのに役立ちます。グレイスケールでは自身のアプリを利用できなかった場合、アプリのデザインを再検討し、カラー以外の手段で要素を区別できるように工夫してください。

カラー以外の手段も使用して情報を伝えるよう、デフォルトでデザインすることが理想です設定によってこの状態を作り出すのは、ほかに解決策がない場合の最後の手段、またはアプリのカラー依存を改善するまでの一時的な解決策とするようにしてください。

「カラー以外で区別」への対応の記載

アプリの一般的なタスクが、情報を伝える手段としてカラーだけに依存していない場合、「カラー以外で区別」に対応していることを記載できます。たとえば、ゲームでチームを区別する必要がある場合は、カラーで表すだけでなく記号を使用することもできます。アプリでカラーのみを使って区別する場合(グラフを色分けする場合など)は、ユーザが設定を変更したりカラースキームを選択したりすることで、自分のニーズに合わせてデザインをカスタマイズできるようにしてください。

  • 要素、コントロール、コンテンツにおいて、重要な情報を区別または伝達するのにカラーだけに依存している状況を考えてみましょう。たとえば、ステータスボタンやアイコンで、肯定/否定やオンライン/オフラインなどの違いを表すものが、赤色🔴と緑色🟢の切り替えのみであるような場合です。この視覚的な違いは、赤緑色覚異常のあるユーザにとっては、近くしにくい場合があります。

  • カラーだけに依存するのではなく、配置や順序、形状、図像など、カラー以外にもスタイル上の違いを利用することを検討してください。赤色の四角🟥と緑色の円🟢のような違いは、色の知覚能力に関係なく、目の見えるすべてのユーザが知覚できます。

  • 区別が難しいカラーの組み合わせをユーザが避けられるよう、複数のカラースキームを用意することを検討してください。たとえば、アプリやゲームでチームやキャラクターの違いを示すためにカラーを使用しているような場合です。

  • 複雑なグラフやデータを視覚的に表示するアプリでは、グラフのカラーを凡例と同じ順序で配置することを検討してください。あるいは、グラフ内の図像や各要素上のラベルを表示するオプションを用意して、データの意味を直接的に伝えるという方法もあります。

    注:このようにして違いを区別できるようにすると、認知負荷が軽減され、さまざまな能力を持ったユーザがそれぞれのカラーの意味を覚えやすくなります。

    左側のインジケータは緑色の円と赤色の円で表されており、色を知覚できない人は区別できない。
    赤緑色覚異常のあるユーザには、これらのインジケータが同じように見えることがあります。
    これに対して、右側のインジケータは緑色の円の中にチェックマークが入った記号と赤色の八角形の中にxが入った記号で表されており、こちらの方が目の見えるすべてのアプリユーザにとってはるかにわかりやすい
    視覚的なインジケータとカラーの両方を使うことで、インジケータを区別しやすくなります。
  • アプリの一般的なタスクにおいて、サードパーティまたはユーザが作成したコンテンツが必要な場合は、「アクセシビリティラベルの概要」を参照してサードパーティのコンテンツに関する詳細なガイドをご覧ください。

アプリの一般的なタスクについて「カラー以外で区別」対応であることを記載できるようになった後でも、アプリのアクセシビリティをさらに改善できる場合があります。アプリをアップデートする際は、その都度、アプリが「カラー以外で区別」に対応しているかどうかを評価し直すようにしてください。アプリのリリースごとに、アクセシビリティを高め、より多くのユーザがアプリを利用できるようにすることを目指しましょう。

関連項目

ヒューマンインターフェイスガイドライン > 視覚 > カラーだけで情報を伝えない

「Appを視覚的にアクセシブルにする」を視聴する